
さて京都滞在のことを少しお話しましょう。いつだったか詳しいことは忘れてしまったけれど、オリンピック前後の頃にホテルが足らなくなる可能性が出てきて民間の宿泊施設を活用しようと躍起になっていた時があった。実際に数年前にイタリアを旅した時はほとんど民泊だった。ヨーロッパの民泊は安くて広くて非常に便利だなという感想だった。
それで一年ほど前に京都の民泊事情を検索すると色々出てきた。ただコロナ禍ということで外国人を当て込んだ民泊は軒並み潰れていたな。残っている民泊もかなり厳しい経営を強いられていたようだ。というわけで今回はかなり割安で借りることが出来た。コロナも悪い事ばかりではない、まぁ人生塞翁が馬だな。
個展は二年前に決まっていて、毎回個展中は滞在していたのだけれど、今一つ反応が鈍いというのか京都という土地柄なのか臨場感に乏しい、お客さん扱いなんだな。というわけで少し京都の町中に溶け込んでみたいというのが今回の目論見の大きいところだ。
ほとんど毎日自転車で町にスッケッチに出かけた。土曜日は古巣の関西美術院に出かけてクロッキーをやったり、もちろんギャラリーも回ってDMを置いてもらったりした。まぁそのせいかどうか分かりませんが、町で知り合った人が見に来てくれたりお客さんは確実に増えたようだ。名前でお客さんが呼べるなら座っていてもいいのだが、私のような無名の作家はこんなこともする。いや、これはこれですこぶる楽しかった。
京都の町は歩くか、自転車で回ると地理がよくわかる。今まで点でしかなかった場所が明確な地理として立ち上がってきた。70にして大きな収穫だな。旅芸人の面目躍如だな。はははは。
下の写真は今回お世話になった民泊 8Qです。場所は京都烏丸五条にあってすこぶる便利なところです。