
はる 7459
2000「いのりのかたち」S100 ⓔ混成技法
山梨英和大学蔵
何度かアップしました。
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厚いマチエールでかなりの重量です。タピエスとかデュビュッフェなどの壁派・アンフォルメルといわれる人たちの影響を受けています。アール・ブリュット(美術教育を受けていない美術)とかアジアやアフリカの西欧の美術の概念から外れた造形に面白みを感じていた。絵画という範疇から離れてオブジェとか工作に近づいていく。画材は画材店で調達するよりホームセンターや塗装屋さんで買ってくることがおおくなった。今手に入る材料で絵を描く(ブリコラージュ)的なスタイルになった。
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2000年の話
いつもの年は年に一回非常勤講師の更新のための簡単な健康診断を受けるだけで、詳しい人間ドックは受診しなかった。この年たまたまカミさんが人間ドックを申し込んでいて、面倒だなと思いながら受けた。
胃潰瘍は持病みたいなもので毎年春と秋ごろはしくしくと痛んでいた。胃カメラを飲んだ時に検診医が驚いて「これは痛かったでしょう」「生検取って置きます」ということで何も考えないでお願いしておいた。
一週間ほど経って電話がかかってきて、明日午後来てくださいといわれる。それでも胃潰瘍がありますね、注意してくださいぐらいだと思っていた。早く終わって仕事のつづきをしたいなぁなどと何も考えていなかった。
名前を呼ばれてまず「胃元発の悪性リンパ腫です」と唐突に言われる。後はほとんど何を言われたのか覚えていない。カミさんに電話してこんなこと言われたぞ。血液のガンだって。。。涙がぽとりと落ちた。
ガンを宣告されると最初は急激に落ち込みます。鬱になります。そのあとやたらと腹が立ちます。何故私なんだ。何か悪いことした?周囲に当たり散らします。その後やや落ち着いて、どうやって対処しようか、家族と戦ってゆく覚悟が出来てきます。まぁだいたいこんな風に進んでゆきます。告知は悪いことではないように思いますね。まぁ年寄りや体力のない精神的に特別に弱い人は別にして、お互いに信頼できる関係ならば協力して頑張れる気がするな。個人差がありますからこれが正しいというのではありませんがね。
結局は早期の発見で胃を全摘して、他に転移がないことを確認して治療はそれで終了しました。あれから21年経った。痩せてはいますが、健康で絵を続けているわけだから良かったというべきかな。
この絵は国展に出品するため手術の前の日に仕上がって取りに来てもらいトラックに乗せて、無事生還できることを祈って送り出したことを覚えている。