
はる 6447
根源的な問題は、自国の防衛をどうするのかということだろうな。日米安保を盾にしてアメリカさんに守ってもらおうという魂胆が今の政権をのさばらせている原因の一つだろうな。戦争の放棄。この憲法の精神で生きるなら、すべての人、国、民族と友好関係を結ぶしかない。それは最も勇気を必要とすることのように思うな。
今回の個展ではそう成績が良かったわけではない。それでもけっこう満足できたのはこんなことがあったからだ。
一つの作品「帰宅」という作品がある。F6号だから家に飾るには、そこそこ大きな作品と言えるかもしれない。一人の老夫人が姪御さんを連れてやってきた。本人はもう手押し車でないとまっすぐには歩けないような状態だった。私の作品はもう何回かご覧になっていて初めてではない。
このくらいの御歳になると身辺整理、今はやりの終活というわけで、新しい作品を購入するということはほとんどない。だから今回も多分ご覧になるだけでほとんど購入することは期待していなかった。
しかし、ご覧になる姿勢は普通の絵を観るという感じではない。どうしても欲しい。自分の身近に置いておきたい。そんな感じで絵をご覧になっている。長年こうやって個展をやっているとそれが分かる。欲しいというオーラ―が出ているのだな。
しかし、最後になって迷ってしまった。あれもいい、これもいい、どれにしようか?ということで姪御さんは一旦家に帰って頭を冷やして考え直すことを提案。私たちはそれを妨げることはもちろんできない。あぁゆっくり考えて最終日までお待ちしておりますと送り出した。むろん心の中ではもう帰ってくることはないだろうと踏んでいた。こういったほとんどの場合帰ってくることはない。
一時間ほどして突然帰ってこられて、もう迷ったふうではなく一直線に「帰宅」のまえで「これください」と宣言された。