
はる 6032
やっと大きい作品に目鼻がついた。いいか悪いかは今は分からない。とにかく前に進むことだけを考えて次から次と出てくるイメージを蹴散らかして何度もこれも違う、これでもないとやってみた。今のところ落ち着いている。
美術教育を受けた人間はなかなかそこから抜け出せない。それは知ってしまったことは忘れる事が出来ないと言ってもいい。なまじ少しばかりの専門教育を受けたばっかりにそこのところから抜け出せない大きな殻がある。形などどう描いてもいいのだと思いながらもどうしてもある一定の形から抜け出せない。ピカソが凄いのはそこのところを全く普通にやすやすと飛び越えてしまっているところだ。子供のように見方によればアールブリットにさえ見える。
下地を施して色々なシミやマチエールからイメージを見つけ出そうとするとどうしても今まであった人型や風景が見えてきてしまう。それを説明するのであれば私でなくてもいい。もっとイメージを上手く描ける人はいる。私のような下手くそがそれらしく描いたところで面白くもなんともない。
自分の中にあるイメージを描き出す作家はこれまたごまんといる。もっともっと素晴らしい飛び抜けた才能を持っている人はいる。私の場合イメージありきではないのだな。映像を具体的に描写するわけではない。
何だろうな、良くわからない。見えないモノを描いている訳ではない。あくまでもそこにある形から発想して行く。けれど具体的に描写するわけではない。反対に具体的になればたぶん失敗だ。今までの経験から。そうなんだ。