はる 4424
2013年度個展サブテーマ「いったりきたり」に決めた。そのテーマのコメントを載せます。何回か下書きは載せましたが、これが大よその決定稿です。まだかわるかもしれませんが・・。
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「いったりきたり」 榎並和春
この世は「ことば」になるものと、ならないもので出来ている。いつもは「ことば 」の世界に住んでいるが、時々「ことば」にならない世界も顔を見せる。「いったりきたり」私たちは実にあいまいな世界に住んでいる。
普段何気なく使っている「ことば」も面白い。ふと思いついて言葉の意味を調べてみると、なぜそれに引っかかりを感じたのか、面白いと思ったのか、忘れていたその部分に自分が隠れていることに気付く。
絵を描くこともよく似ている。もうすでによく知っている事を描いてもあまり面白くない。絵の中に自分が隠れている。それを探しに行くのが私の仕事のように思う。
日々の生活はじつに単調でたいくつなものだ。ほとんどが以前どこかで目にしたか、体験したことだ。全く経験した事がない、真新しい道だと思って進んで行くと、いつの間にかどこか見た事がある風景や、出来事に出会ってちょっとびっくりする。忘れた記憶はあちらの世界にある。
多分あらゆるものがラセンを描いているのだ。同じだと思った道も少しずつずれて、実際は二度と重なる事はない。「一期一会」その時々の出会いを愉しみたい。
いつものように「いったりきたり」回り道しながら、心に浮かんだ色やかたちを絵にしました。今回は絵から抜け出たようなお面も展示します。愉しんでもらえれば幸いです。御来廊こころよりお待ちしております。
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