わたしはただ人生を貧弱なものにし、傷つけ、いじけさせ、そしてゆがめるものは悪だという単純な基準を手ばなすまいとしただけだ
出典:私の二十世紀書店」 中公新書 P94
著者:長田 弘
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1980年から90年の日本のバブル時代が終わってすでに20年、今の日本では、いかに人々の人生を「貧弱なものにし、傷つけ、ゆがめるもの」が多いことか、新聞記事やテレビの報道を見聞きするたびに胸が痛みます。
強者と弱者、成功と失敗、勝ち組と負け組のそれぞれを厳しく区別する今の社会は、人々の心を薄っぺらにし、人を傷つけることで自分を守り、ゆがんだ人生を送る人間を増殖させているような気がします。
強い人がいて成功し、弱い人がいて失敗もする、でも出来るならば、強みと弱みを合わせ持つ世間大半の普通の人間が成功と失敗を繰り返しながら、そこから学び、ある時は勝ち、またある時は負けながら、人としての尊厳を保てる生活を送ることができる。そんな社会になりますように。 ・・略
Author:あそびべのはる
画家・榎並和春です。HPはあそびべのHARU・ここだけの美術館