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あそびべのHARU・ここだけの日々
画家・榎並和春

2001-5 - 2001.05.01(日記)
  はる118    2001/May/31(Thu)

   昨日は一日雨だった。例によってなんとなく憂鬱な気分、滅入ってしまうなぁ。今日もなんだかさえない天気。気分なおしでいつもの堤防沿いを散歩する。このところの雨で急に草が元気を取り戻した感じ。瞬く間に一帯が草ぼうぼうになってしまった。

 むかし写真家の藤原新也が面白いことを書いていたのを思い出した。宗教にも色々あって我々の良く知っているのは「和のさとり」だけれど、世界にはそればっかりではない「さとり」の形があるらしい。それを彼は「針のさとり」とたとえていたけれど。

 たとえば砂漠の民がいる。回りを見渡しても草一本はえていないようなところで、自分を含めた家族を食わせていかなくてはならない。そんなところでは「殴られた、殴り返せ」「目をつぶされたら、目をつぶせ。歯を折られたら、歯を折るのだ」といった怒りのさとりが生まれる。反対に放って置くと何時の間にか草ぼうぼうになるような、湿潤な生物にとって優しい環境の元では「壁に向かって三年」みたいな、あいまいな「和のさとり」が生まれると。

 しかし最近の若者の単純な怒り具合をみると、そうとばかりは言えないのかもしれんなぁ。それとも現代の生活環境そのものが砂漠化してきているのかもしれん。お~こわ。


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  はる117   2001/May/29(Tue)

   去年大変お世話になった松本さんが、明日引越しするという電話を昨日夜遅くにもらった。彼はある特殊な職業なのだが、まったくそんな風に見えず、私は好感を持った(悪くするとルンペンか風来坊にしか見えない)。そんな訳で朝早く餞別を持って馳せ参じた。色々お世話になりました。ありがとうございました。

 閑話休題。このところ寝る前のナイトキャップとして、平松 剛の「光の教会」-(安藤忠雄の現場)を読んでいる。時代のメッセンジャーとしてこのところ色んなメディアで発言しているが、地に足つけた信頼できるアーチストの一人として、かなり前から注目していた。この本のメッセージとして受け取ったことは色々とあるけれど、第一は物を造って生きることの楽しさと厳しさみたいなことだろうか。

 我々のようなほそぼそとした平面アートと比べるのはおこがましいけれど、ものの大小に関係なく共通する「ものづくり」の面白さ、みたいなものは大人も子供も過去も現代も未来も変わらないのじゃないかなぁ。一番わくわくドキドキすることだもの。しかしもし仮にお金があっても安藤 忠雄に自宅は建ててもらわへんで。ほんまごつぅ住み辛そうやもんな。自宅の便所行くのに雨の日は傘さして行くんやから、ごめんやで。


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  はる116   2001/May/27(Sun)

   昨夜はこの間のグループ展の打ち上げでみんな集まる。もともと体質的にアルコールは全く飲めない。大げさに聞こえるかもしれないが、本当に奈良漬三切れで酔ってしまう。食事に行っても最後のデザートまで気が抜けない、なぜならケーキやシャーベットにアルコールをたっぷり染み込ませてあるやつがあるからだ。(ちなみに親や兄弟は酒好きが多いのだけど、遺伝子の妙だな)というわけで、私が幹事をすれば食い物のうまい所を選択する。

 知る人ぞ知る「須弥山房」は何料理というのか基本的に中華だけれど(ほぼ創作料理だろうな)これがとてもうまい!。店の作りも自分たちで作ったようなユニークな作りだけれど、オーナーが若い女性だというのも売りだと思う。それにしてもここのところ、おもしろいことをやっている人は女性が多い。とくに地方だからかもしれないが女性の元気がいい。

 男は何だか凶悪事件にからんで新聞種にばかりなっている。男は一人で千人の子孫を残すことは可能だけれど、女一人じゃ十人が限界だろう。平和な世の中そんなに男は要らんということじゃ!。


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  はる115    2001/May/25(Fri)

   昨日は夕方から雷を伴った雨。昨年雷でパソコンをやられたので、早々にコンセントを抜く。一日何処にも出掛けずぼちぼち仕事する。遅くに雨脚が強くなって、樋から滝の様に水がこぼれ落ちる。考えるにたぶん、ニセアカシヤの花束がこの雨に打たれてボタボタと散って樋を詰まらせているのであろう。これから夕立の季節、このままほっておく訳にはいかないだろう。今日は午前中屋根に登って気になっていた樋の掃除。もうすでに真夏のような暑さ、ポタポタと汗が落ちる。そんなことで半日終わってしまった。

 夏に神戸のギャラリー島田で神戸関係作家ミニアチュール展がある。できたら新作出したいけれど、間に合わないだろうなぁ。ちょっと集中して仕事せんとあかんで、おっさん!。


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  はる114    2001/May/24(Thu)

   なんだか梅雨のようだのぉ。鬱陶しい天気だ。七月の渋谷の喫茶店(ウィリアム・モリス)での個展のDMができてきた。新作も含めて10点ぐらいの小さな展覧会になる予定。新しい場所での個展を希望していたので一も二もなくお願いしたのだが、オーナーの期待に答えることが出来るだろうか、とちょっと不安になる。とにかく多くの人に観てもらいたい。


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  はる113    2001/May/23(Wed)

   今日は朝から雨が降っている。子供の頃、雨はものすごく苦手だった。それがどうした理由からかわからないのだけれど、憂鬱な気分にさせられた。

 その日も朝から雨だった。幼稚園に行かなきゃいけないのだけれど、なんとなくブルーな気分で行きたくない。母親にしかられていやいや家を出たのはいいのだけれど、途中大きな犬が居てワンワン吠えられる。いつもだったら何でもないことなんだけれど、その日は無性に悲しくなった。傘も何もかも放り投げて,わんわん泣きながら家に帰った。母親に不審がられて理由を聞かれてもうまく答えられなかった。表むきは犬に吠えられたことがその理由なんだけれど、実際のところは違っていた。自分ではよくわかっていた、雨が降ってたからなんだ。


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  はる112   2001/May/22(Tue)

   朝7:30に起きて近くの堤防沿いを歩く。昨年の秋の集中豪雨で痛めつけられた芝生が、いつの間にか息を吹き返している。たいしたもんだ。それに比べて水をかぶったテニスコートの修理は遅々として進まない。お役所のやることはこんなもんだ。それにしても多くの人が歩いている。今日は一日社会奉仕。時間がないのでこのままアップする。


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  はる111   2001/May/21(Mon)

   世界中のどの民族をみても、彼らの住居は原則としてその土地で取れたり、簡単に手に入る物で出来ている。

 たとえばイタリアのアルべロベッロの白い石灰で固められた家は、その土地で一番手に入りやすい建材が石灰岩だということを示している。エスキモーの人たちが厚い氷のレンガでもって家の壁を作るのは、かれらの好みがそうさせるのではない。昔の日本の家が木と紙と土で出来ていたのは、それなりの理由がある。

 ある時、我々はドラえもんの「どこでもドアー」のような大変な力を手に入れた。世界中の好みの物を好きなだけ手に入れる力だ。ある人は古いアメリカンスタイルの家に住み、またある人は純和風の家に住む選択の自由を手に入れた。かつててんでばらばらなまとまりのない街並みが出来上がった。ものすごく皮肉な見方をすると、住宅がその土地で今簡単に手に入る材料で家を作るのが原則とするならば、今の日本ではツーバイフォーで壁は新建材、窓はアルミサッシ、風呂はプラスチックの一体型。何でもあるけど何にもない、個性がないのが個性なんて皮肉な見方もできる。何が幸せかようわからんのぅ!。


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  はる110   2001/May/20(Sun)

   ひねもすぼーとしていた。近くの小学校で町内の運動会をやっている、これも少子高齢化で大変だと聞く。役員はご苦労さまでした。小さな中庭に今日最後の陽が入る。やっかいなニセアカシアの大木も、この時期には白い藤の花に似た花束を一斉につける。ミツバチがこの花をめあてに朝からブンブンやってくる。それなりに役にたっているのだなぁこいつも。ケロケロとかえるが鳴き出した、もうそんな季節か。


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  はる109    2001/May/19(Sat)

   久し振りになにもないゆったりとした午後だ。昨日地元のグループ展が終わって、バタバタとかたづけてトラックにつみこんで一丁あがり。ドタバタと我が家に帰ってきた。午前中アトリエをかたづけて、なんとかスペースをつくってこいつらをねじ込む。当分ひのめをみることはないだろう。なんとなくむなしい疲労感だけが残った。

 百円ショップにでかけて手ごろなふ蓋付きのタッパーを買いしめる。台所用品は私の画材道具の宝庫だ。地塗りの絵の具をつくって蓄えて置く容器はここでかった漬物用容器だ、大変便利です。絵の具もほとんど自分でつくる。多量の絵の具を使うのでこれを全て買っていたらとても大変だ。何でも絵の具になる。塗装で使う「とのこ」これは本当に綺麗な土色になる。焼き物で使う「べんがら」これもきれいな錆色だな。日本画で使う安い「胡粉」この粉吹いたような白は他の材料ではでない。まだ多くの物が使えるけれど・な・い・し・ょ。自分で探せ!。


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  はる108   2001/May/18(Fri)

   昨日は一日会場当番で美術館にいた。県立美術館いったいは美しい森になっていて、管理も行き届いていて気持ちのいい空間になっている。お役所のやることはだいたい的がずれていたり、なおざりだったりすることが多いのだが、この美術館の庭だけは公園として成功しているのではないかと思う。五月のこの時期、木々の新緑がまぶしいぐらいに輝いて美しい。どんな芸術作品より癒されるとおもうのは私だけか。

 それにしても観覧者の数が激減したのはどうした訳だろう。もっともこういった展覧会形式の見世物は面白くないことは良く分かるけれど、批判されたり、バカにされたりするのはまだしも、まったく無視されるのはとてもつらいなぁ。表現する我々にも問題があるのだろうけれど、受け取る側のアンテナの低さはもっと問題じゃないかなぁ。

  「人生を楽しく生きる」という大目標のためには、速い、安い、うまい、だけの簡単なレシピだけじゃあかんのよ、少しは自分で勉強せんと。人生の醍醐味はわからへんで!ほんま。


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  はる107    2001/May/15(Tue)

   今日は一日社会奉仕。もうすでにくたびれて帰りたい。家に居るのが一番私にはあっている、しかしそうは烏賊の・・・・蛸が引っ張る。奉仕先からパソコンを打ってます。

 そうそう昨日は最悪、元来車の運転は嫌いでできるだけ乗りたくないのだが、なにぶん田舎故これがないと動きがとれない、しかたなく運転しているのだが。なんでもない平日に高速をぶっとばしている車を見つけて、パトカーのお兄ちゃんも浮き足だったのかもしれんなぁ、つかまってしまった。高速って100キロ以上出してはいけないって知ってた?みんなどんどん私を追い抜いていくのに、私だけつかまって馬鹿をみた。どんくさいと言うこと?


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  はる106   2001/May/14(Mon)

   風邪が抜けたら急に忙しくなった。この土曜日は例のグループ展の搬入と飾り付けで一日美術館にいた。別にずっといる事ないのだけれど案内状出したてまえ初日ぐらいいないとなぁ。

 昨日は午後から先月さぼったクロッキー会にでかける。毎月第三日曜なのだが今月は変更されたので連絡がうまくとれなかったのか人数が少なかった。久し振りにモデルを前に鉛筆をはしらせたけれど、やっぱり難しい。一向にうまくならない、この下手くそも私の個性ということだろうか。うまい奴は最初っからうまいものなぁ、うらやましいことに。しかし何年やっても毎回新しい発見があるのでやっぱり楽しい。

 夜は地域の自治会の文化教養部の集まりがあってでかける。ごたぶんにもれず少子高齢化で活動もうまくまわらない。地域の活動はとても大切なことは充分理解できるが、我ままな性格でいまいち気持ちが乗らない。ごめんなさい。


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  はる105   2001/May/11(Fri)

   やっと風邪が抜けたようだ、まだいまいちという感じはあるが日常生活は復活した。といっても大した違いがあるわけではないのだが。

  東京の国画会の作品が帰ってきた、それとあと二点ほど追加して地元のグループ展に出品する。毎年のことだけれど大きな作品(130号ー1点、100号ー2点)が小さな我が家に帰ってくると、それだけでうっとうしくなる。展覧会場では小さく見えた我が分身も、家でみると何と馬鹿でかいことか!自分の性格を反映してこいつらも内弁慶だ。行き先の決まっている娘ならまだましだけれど、こいつらは展覧会が終われば倉庫行きとなる寂しいもんだ。


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  はる104   2001/May/9(Wed)

   いやぁ参ってしまったなぁ。久し振りに本格的な風邪に育ててしまったようだ。全てが停止してしまっている状態です、グスン、けっこうつらい。体力がないのでこういった季節の変わり目に風邪をひく。何事においてもとにかく基礎体力がものをいう。芸事は量より質だというかもしれないが、基本的にいい仕事を残している人はものすごい量の仕事をしている。能力も才能も普通の人間にとって勝てるところは量しかないのじゃないか、これは純粋に努力と勤勉のなせるわざだから。それには何をおいても基礎体力を必要とするのだが。ここまで一気に書いて息切れした、ゼイゼイ、私にはその体力もなさそうだ。


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  はる103   2001/May/7(Mon)

   どうやら季節はずれの風邪をひいてしまったらしい。私の一年には大きな山が二つある。一つは秋から冬にかけての個展、もう一つが毎春の公募展とグループ展。大体この一つ一つが終わるたびに風邪をひく。気が緩むということなのか、今回は油断したなぁ。喉が痛い。

 閑話休題。小泉首相の所信表明演説を聞いた。はっきり言ってつまらなっかったね。あれを見ると彼もまだ古いタイプの政治家なのかなぁと思う。書いた物を見て読んでいる状態じゃいい演説はできないのじゃないかなぁ。細かいことは言わなくてもいいのじゃないか、間違ってもいいのじゃないか、自分の言葉で聞いている人に伝えるのだという気さえあれば、それが感じられなかった。残念だ。

  立場は全然違うけれど、表現ということじゃ同じだと思う。「言語明瞭、意味不明」の表現(絵画)がいかに多いか、反省すること多し。


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  はる102   2001/May/4(Fri)

   ゴールデン・ウィークです。みなさん何処かにでかけましたか?お休みだから何処かに出掛けなければならない、という発想もちょっと貧しいですけれどね。

 さて私はというと例年この時期は地元でグループ展を開催します。もうかれこれ20年くらい五月の連休はこれにひっかって、何処にもいけない状態でした。という訳で去年あたりから連休の日程を避けるようにはしたのですが、結局展覧会を前にどこかに行く気にはなれないので同じことですね。かといってしゃかりきに絵を描いているわけでもないのですが・・・。とりあえず場所と日程だけ載せておきます。場所・山梨県立美術館 一般展示室 日時・2001年5/12~18(14休館)です。観にきてください。


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  はる101   2001/May/1(Tue)

   今日は五月一日、メーデーということになる。「行け、万国の労働者・・・」この次が唄える人は四十歳以下にはいないだろう。べつに唄えてもえらかないけれどね。

 各月の初め、一日は「映画の日」というわけで(これはこの地方だけなのか)今日は昼間っから映画をみにいった。「ショコラ」回りをみてもほとんどが女性で男は私ともう一人だけだった。わたしの感性はほぼおばさん化しているので、けっこう面白かったけれど、普通の男性じゃちと物足りないかもしれないね。内容は観てのおたのしみというわけで、ここでは言わない。ネガティブに生きるよりポジティブに生きた方が人生楽しいよ、てことか。今日も時間がないのでこのままアップする。

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