はる 5036
十年ほど前の井上陽水と糸井重里の対談をユーチューブで見た。井上陽水のあのヒットを生む才能はどこらへんにあるのかを探るという企画なんだけれど、陽水のまるで人を食ったような受け答えが面白かった。
たとえば曲はどうやって作るのか。どんな時に曲が浮かぶのか?という風な質問に「まぁ明日レコーディングあって、どうしても一曲作らなければならないという状態に追い込まれて、まぁやっつけで出来るわけです」などと言っている。またこんなことも言っていた。「作曲などというものは真に不自然なもので、作為的なものです。自然に暮らしていて日常生活で曲が溜まったからレコードにしようかなどという事はないわけです」
絵を描くというのも凄く作為的な行為だと思うんだな。だんだん絵が溜まったから個展をしようかなどという天下泰平なことを言っていたのじゃ一生個展などできない。まず展覧会のスケジュールを決めてしまう。それで何となくそれに合わせて絵を描くというまぁそんな感じかな。
絵が描きたくなるまで待っていたんじゃ永遠にかけないね。鼻歌じゃ歌うことはあっても、鼻歌で人を感動させることはできんだろうな。どこかでやっぱり無理やり絞り出す作為的な仕事が必要なんじゃないかな。と思った次第。